高齢者が自宅をゴミ屋敷にしてしまう理由は?片付けを促すために家族ができること
超高齢化社会が進む現代では、独り暮らしの高齢者の「ゴミ屋敷化」は大きな社会問題となっています。離れて暮らす親がゴミを捨てられない場合、家族が片付けを促すことが重要です。しかし、認知症などの精神疾患や高齢者特有の価値観が影響し、片付けがうまくいかないケースも少なくありません。こちらでは、高齢者の家がゴミ屋敷化する原因、高齢者の家族の片付けを促すポイントについて解説します。
高齢者が自宅をゴミ屋敷にしてしまう主な原因
高齢者がゴミを捨てられず、ゴミ屋敷化するのは以下の原因が考えられます。
「ものは捨ててはいけない」「もったいない」という価値観
戦争を経験している高齢者は、ものを捨ててはいけない、もったいないという価値観が強い傾向があります。食べ物や着るものがないという辛い経験から、ものに対する執着心が強いことも要因の1つです。
その執着心はゴミに対しても同様で、使い捨てのものでも捨てずに残すことがよくあります。いつのまにかゴミが溜まっていき、ゴミ屋敷化が進行してしまうのです。
ゴミかそうでないかの分別が難しい
65歳以上の高齢者の7人に1人が発症するといわれる認知症は、ゴミ屋敷化の大きな要因と考えられています。認知症によって認知機能が低下すると、他人から見るとゴミに思えるものや明らかなゴミでも、本人がゴミだと判断するのが難しくなる可能性があります。
セルフネグレクトによるもの
セルフネグレクトは自己放任と呼ばれる精神疾患で、自分自身への関心がなくなるのが特徴です。ゴミ捨てや片付けだけでなく、食事や入浴、トイレなど、身の回りのことをやる気力や能力が衰えてしまいます。
ただし、高齢者のセルフネグレクトの問題はゴミ屋敷だけでなく、体調が悪化しても病院に行かなくなることです。孤独死につながる危険性が高いので、親が独り暮らしという方は、セルフネグレクトの兆候がないか注意深く見守りましょう。
ためこみ症(ホーダー)によるもの
ためこみ症とは、ものを捨てられずにためこむ、ものを必要以上に買う、ものを集めすぎるという行動障害です。認知症などの精神疾患の症状がないにもかかわらず、家がゴミ屋敷になっている場合、ためこみ症によるものと考えられます。
ためこみ症はセルフネグレクトと異なり、身の回りのことは問題なくできるため、孤独死の危険性は低いと思うかもしれません。しかし、積まれたゴミが崩れてケガをする可能性や、火の不始末がゴミに燃え移って火事になるなど、思わぬ危険に巻き込まれる可能性があります。
高齢者本人にゴミ屋敷の片付けを決意してもらうためのポイント
ゴミ屋敷となった家を、家族が一方的に片付けることが多いでしょう。しかし、離れて暮らしている場合、高齢者本人が片付けられるよう家族が促す必要があります。そこで、高齢者本人がゴミ屋敷の片付けを決意してもらうために、以下のポイントを実践しましょう。
ゴミ屋敷は危険であることを理解してもらう
ゴミ屋敷となった家で暮らした場合、どのような危険性があるかを説明することからはじめましょう。
掃除しないことで積もったホコリや汚れによる雑菌、放置したゴミが腐敗して害虫が発生します。そして、害虫を食べるネズミが繁殖すると、死骸や糞尿による細菌感染やアレルギー症状を起こすことも少なくありません。高齢者は抵抗力が弱いため、健康を害する可能性もあるので注意が必要です。
また、ゴミ屋敷の中で家電製品を使用した場合、コンセントに付着したホコリに引火し、火災が起きる危険性が高くなります。
具体的にどのような悪影響が起こるかを説明し、「ゴミ屋敷のままではいけない」と理解してもらうことが大切です。
1ヵ所片付けてみて、片付け後の部屋の快適さを理解してもらう
ゴミ屋敷を片付ける際は、1ヵ所だけをキレイに片付けることがポイントです。一切のゴミがない部屋は快適に過ごせると本人が実感することで、ゴミ屋敷の解消につながります。また、ゴミを片付けられたという達成感から、他の部屋を片付ける意欲がわくかもしれません。
また、ゴミ屋敷の危険性を理解できたとしても、いきなりゴミをすべて捨てることは避けましょう。第三者ではゴミに見えるものでも、本人にとっては必要なものと認識していることがあるからです。ためこみ症の方はこの傾向が強いため、本人が納得してから片付けることが大切です。
【高齢者のゴミ屋敷】「人に迷惑をかけたくない」という思いが強い高齢者への対処法
ゴミ屋敷のままでは危険と理解してもらえても、根本的な解決にはもう1つの壁が存在します。それは「人に迷惑をかけたくない」という心理が、掃除や片付けをできなくさせてしまうことです。ゴミ屋敷に住む高齢者の心理と、その対処法を見ていきましょう。
高齢者は「できるだけ人に迷惑をかけたくない」と思いがち
ゴミ屋敷に住んでいる高齢者は、相手の家族や生活を思いやり、自分のことで手助けをしてもらうことを躊躇する傾向があります。加えて、「ゴミ捨てくらいは自分でできる」と思っているため、人の手を煩わせたくないという心理につながります。
また、人の手を借りないと自分自身を追い込み、家族や親族、近隣住民との関わりが希薄になります。孤独感から「誰も助けてくれない」と思うようになり、片付けることさえできなくなってしまうのです。
そんな時は不用品回収業者に相談するのも手
人に迷惑をかけてはいけないという心理が強い場合、家族や親族が「手伝うことは迷惑ではない」と説得しても納得してもらえないケースもあります。このような状況にお悩みなら、ゴミ屋敷清掃のプロである不用品回収業者に相談することも1つの方法です。
業者は「ゴミの片付けを仕事にしてお金をいただく」という立場であり、決して迷惑とは思わないことを伝えてみましょう。家族が伝えても進展が見られない場合は、業者が高齢者本人と話してくれることもあります。迷惑をかけたくないという心理をほぐすために、業者の力を借りることも検討してみましょう。
まずは説得から!それでもだめなら不用品回収業者も検討しよう
高齢者の家がゴミ屋敷化する要因は、ものを捨てられない価値観や認知症、セルフネグレクト、ためこみ症などの影響が考えられます。ゴミ屋敷を解消するには、ゴミ屋敷に住む危険性を理解してもらうことが重要です。ケガや火災のリスク、不衛生な環境下による健康被害など、具体的な悪影響を説明しましょう。
まず1ヵ所を片付けてみて、快適に過ごせることがわかるとゴミを自ら片付けるようになるはずです。しかし、人に迷惑をかけたくないという心理は、ゴミの片付けを拒む要因になります。家族での説得が難しい場合は、不用品回収業者に相談してみてはいかがでしょうか。
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