強制退去は可能?ゴミ屋敷の住人に出て行ってもらうことはできるのか

強制退去は可能?ゴミ屋敷の住人に出て行ってもらうことはできるのか

あふれるゴミ、漂う悪臭、湧いてくる虫。ゴミ屋敷は住んでいる人だけでなく、近隣の住民にとっても迷惑です。賃貸物件であれば資産価値を大きく下げられてしまうため、オーナーとしても大問題です。できることなら出て行って欲しいと思うのは、近くに住む人間として当然の感情でしょう。しかし強制退去は可能なのでしょうか?ゴミ屋敷の住人に出て行ってもらう方法があるのか、法律の面からも明らかにしていきたいと思います。

近隣住民が「ゴミ屋敷化」に気が付くきっかけとは?

近隣住民が「ゴミ屋敷ではないか?」と気が付くきっかけはいくつかあります。ゴミ屋敷の初期にはわかりにくいものですが、ゴミがたまっていくにつれて影響が部屋の外に出てくるためです。

異臭がする

ゴミ屋敷では長期に渡って掃除をしていないだけでなく、生ゴミやさまざまな不用品などが放置されています。また、洗濯などをするスペースも失われていることが少なくないため、汚れた衣服や体臭などが、大量のゴミが置かれていることによって発生した異臭・悪臭と混ざった臭いが漏れ出し、周囲が気付きます。

スペースをはみ出してゴミを置いている

ゴミ屋敷の場合、収容しきれないゴミが敷地の外にはみ出していることも珍しくありません。マンションやアパートの共有部分にまでゴミが積まれていたり、一戸建ての玄関先から道路、外構のさらに外側にまでゴミが置かれることで、ゴミ屋敷であると周囲が視認することで気付きます。

害虫がいる

自宅をこまめに掃除して清潔に保っているにも関わらずコバエやゴキブリなどの害虫が出る場合、発生源は近隣の別の家である可能性が高くなります。特に共同住宅の場合は顕著で、排水溝や廊下などを伝い、マンションやアパート全体に害虫の被害が及びます。

なかには「隠れゴミ屋敷」も

外観的には一般的な住宅と変わらないものの、ドアを開けると室内はゴミで溢れかえっている「隠れゴミ屋敷」も結構な件数存在しているといわれています。そのような隠れゴミ屋敷には、脱ぎ捨てて洗濯していない衣服や食べかけの食品、捨て忘れた生ゴミなどが放置されて異臭を放ち、害虫が湧いて、掃除されていない水回りから悪臭が発生する可能性があります。

ゴミ屋敷住民の強制退去は可能?

近隣の住民にとってはとても迷惑なゴミ屋敷ですが、住人に強制的に退去してもらうことは非常に難しいのが現実です。なぜかというと、居住権やゴミの所有権はゴミ屋敷の住人であり、それを法律が保護しているためです。その理由を詳しく説明していきます。

ゴミ屋敷のゴミを不動産会社などが処分することはできるか

共有部分に出ているゴミについて処分を促す告知をすることはできますが、処分することはできません。なぜなら、一見ゴミにしか見えないものでもゴミ屋敷の住人に所有権があるからです。
勝手に処分してしまうと、所有権の侵害に当たります。最悪の場合、処分したゴミについて損害賠償を請求されてしまうこともあります。

強制退去は難しい

賃貸物件の場合、借りている間にゴミ屋敷にして周辺にまで被害を及ぼすのは民法644条で定められている「善良なる管理者の注意義務」に違反しているのではないかと考えることができます。
しかし、居住権などの面からも即時に契約解除をすることは難しく、繰り返し清掃を促す勧告を行い、ゴミ屋敷状態を解消してもらうよう働きかけることが現実的な対応となります。
ゴミ屋敷のせいで生活環境の汚染がひどい場合や、不動産に著しい瑕疵が発生している場合など、部屋の所有者が法的に働きかけることで強制退去をさせた例もありますが、「ゴミが多すぎて迷惑だから出て行ってください」とは簡単に行かないのが実情です。

「ゴミ屋敷条例」は最終手段

自治体によっては近隣住民の被害や火災が発生した場合のリスクなどを鑑みて「ゴミ屋敷条例」を定めている場合があります。条例が定められていれば、ゴミ屋敷の住人に行政からの指導や勧告を繰り返し行っても改善が見られない場合、行政代執行ができます。
しかし、力ずくでの解決になるとその後の近隣トラブルに発展することもあるため、できるだけ粘り強く話し合いを続け、改善を打診する必要があります。

強制退去は難しくても…ゴミ屋敷に対して近隣住民ができること

ゴミの処分を強制したり、強制退去は難しいことは説明したとおりですが、それ以外の方法で周囲の人ができるゴミ屋敷対策がいくつかあります。

行政機関に相談してみる

警察署や保健所などに現状を相談し、行政機関を巻き込んでゴミ屋敷問題を共有します。一度ではなかなか動いてもらえないかも知れませんが、繰り返し相談実績を作ることで、行政機関にも問題が切実であることを伝えていき、行政からの指導があるよう動いてもらいます。

内容証明郵便を送付する

口頭や電話、投書などではなく、内容証明郵便を送付することで、ゴミ屋敷の住人に対して清掃の依頼や注意勧告をしたという証拠が残せます。長期に渡って繰り返し何度も片付けることを打診した実績や、それにゴミ屋敷の住人が応じなかったという事実の積み重ねは、実際に強制退去や行政代執行によるゴミの廃棄に至るために大切な手順です。
証拠が残らない状態での注意は実績として法的証拠にしにくいため、費用はかかりますが内容証明郵便で打診を入れることが大切です。

まずは行政機関に相談してみよう

まずは行政機関に相談してみよう
ゴミ屋敷の周囲への悪影響は深刻ですが、法的な壁もあり、解決することは非常に困難です。ゴミをすべて捨ててしまいたいと思っても、所有者が捨てない限り、ゴミもまた所有物であるためです。
そのため、執行権を持つ行政機関を巻き込み、地域全体の問題である意識を共有する必要があります。まずは行政機関に相談し、適切な対処をしましょう。

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